1時間目 ごんって、どんなきつね?
前回の初読で出てきた疑問や感想を、スライドにして子どもたちに提示しました。
「そうそう!」
「あ、私の疑問!」
スライドを見ながら、そんなつぶやきが聞こえてきます。
そして、この時間からは、まず初めの場面を読みながら、ごんの人物像を考えていくことを伝えました。
教科書から「ごん」について分かることに線を引き、それを発表しながら板書・ノートに整理していきます。
子どもたちから出てきたのは、
- ひとりぼっち
- 子ぎつね
- あなの中に住んでいる
- 雨の日は不安
- いたずらばかりしている
など。
ここで、私は「子ぎつね」という言葉に注目させたいと思っていました。
「子ぎつね」と板書し、あえて「小ぎつね」と書かれていることに気付かせたかったのですが……なかなか気付きません。
そこで、
「子どもなのにひとりぼっちなんて、かわいそうだねえ。」
と、こちらから少し焦点を当ててみました。
「うんうん。」
「さびしそう。」
「暇だからいたずらするんじゃない?」
と、子どもたちの話が広がっていきます。
少し違う方向へ行きそうだったので、
「人間だとすると、何才くらいなんだろうね?」
と、もう一度話題を戻しました。
「5才?」
「10才?」
「18才?」
「それは子どもとは言わないか……。」
と、想像がどんどん膨らみます。
そこで、
「じゃあ、その年齢だと思った根拠を教科書から探してみよう。」
と伝えました。
すると、ある子が、
「子どもじゃなくて、大人かも。」
と発言。
これは逃せません。
「え?! 『子ぎつね』って書いてあるでしょ?!」
と、すかさずツッコミ。
すると、
「いや、先生、漢字ちがうわ。『小さいきつね』だよ!」
「ほんとだ。」
「ほんとだ!!!」
一気に教室が動きました。
板書していた「子」に×をして、「小」と書き直します。
一つの漢字にみんなで気付いた瞬間です。
そこからさらに、
「長年住んでるから、栗や松茸を毎日拾えるんじゃない?」
「結構すばやいから、おじいさんではなさそう。」
など、さまざまな意見が出てきました。
そして、なんとなく、
「ごんは、おじさんぎつねなのでは?」
というところまで話が広がっていきました。
最後に板書を見ながら、次の時間に考えたいことを整理しました。
「ひとりぼっち」
→ なぜだろう? どんな気持ちかな?
「小ぎつね」
→ おじさんぎつねの可能性もある?
「あなの中に住んでいる」
「雨の日は不安」
→ なぜだろう? どんな気持ちかな?
「いたずらばかりしている」
→ どんないたずら? なぜいたずらするの?
疑問を残したまま、1時間目を終えました。
2時間目 ごんの疑問を解決しよう
まずは1場面を音読しました。
何度か家庭で音読していたこともあり、みんなで読んでもある程度すらすらと読むことができました。
ただ、授業で音読をすると、どうしても時間がなくなる……。
このあたりは、悩ましいところです。
今回は、前時に出てきた疑問をとにかく解決する時間にしました。
グループで話し合いながら、前時に出てきた疑問について考えます。
ここで大切にしたのは、
「根拠は必ず本文から!」
ということ。
想像を膨らませることは大切だけれど、妄想にはしない。
「それ、教科書のどこから分かるの?」
を大切にしていきます。
……とはいえ、ここが難しい!
子どもたちはどんどん想像を広げていくので、本文に戻す声かけが必要になります。
最後の10分は、Googleフォームに
- 問いの答え
- わかったこと
- 考えたこと
を入力して提出。
次の時間の初めには、みんなの意見をまとめた要約スライドを提示することにしました。
3時間目 村人になって考えてみる
前の時間に出た意見をまとめたスライドを確認します。
ここで、
「ごんは、ひとりぼっちで、かまってほしくていたずらをした」
というところまで、みんなの考えを整理しました。
そこで、次に考えたいのは村人の気持ちです。
今回は、村人になりきって演じてもらうことにしました。
「今から、グループの4人は、兵十と同じ村の住人です!」
「まーた、あのきつねが悪さしてるっぺ?」
と聞くと、大盛り上がり。
「この続きの会話を、グループでしてみよう。」
2分ほどグループで会話したあと、1グループに前に出て演じてもらいました。
「おらの家は、畑のいも食い散らかされたわ。」
「そいつぁひどいなあ。もうけがなくなるなあ。」
「わなをしかけて、つかまえたい!」
子どもたちは、村人になりきって上手に会話をつないでいきます。
そこで、
「今、村人をやってみてどう思った?」
と聞きました。
「ひどいきつねだなあ。」
「いやなきつね。」
「もう来ないでほしい。」
口々に、ごんへの忌々しさを語ります。
ここで、前の時間に考えたごんの気持ちと比較してみました。
「ごんは、かまってほしくていたずらをしに来てるんでしょ?」
「じゃあ、村人は……」
「ああ、来た来た♪ かわいいきつねのいたずらだ!」
……とは、ならないよね?
子どもたちは、
「なるわけない!!」
「もう、本当にいなくなってほしいくらい。」
と答えます。
そこで板書に、
ごん:かまってほしくていたずらをする
村人:迷惑なきつね。いなくなってほしい
と並べました。
同じ「いたずら」でも、ごんと村人では、その意味がまったく違う。
ごんは「かまってほしい」という気持ちでいたずらをしている。
でも、村人にはそんなごんの気持ちは伝わっていない。
ここにあるのは、**ごんと村人との大きな「思い違い」**です。
この思い違いが、これから物語の中でどうなっていくのか。
そんなことを考えながら、3時間目を終えました。
