わり算=筆算? 子どもたちのイメージからスタート
4年生算数「1けたでわるわり算の筆算」の学習がスタートしました。
わり算は、3年生の2学期以来の学習。久しぶりということもあり、少し忘れている子も見られました。
でも面白いのが、こちらがまだ何も言っていないのに、
「わり算ってことは、筆算やるんでしょ?」
と反応する子が多かったこと。
子どもたちの中には、
「わり算=筆算」
というイメージがかなり強く残っているようです。
そこで今回の授業では、最初から“筆算のやり方”を教えるのではなく、
「そもそも、どうして筆算が必要なのか」
を考えながら進めることを意識しました。
「今日は筆算禁止!」から始める
授業の最初に、こんな話をしました。
「この単元では、わり算の筆算を学習します。でもね、筆算っていうのは、暗算では答えを出すのが難しい時に使うものなんだよ。」
「だから、簡単に暗算でできる時は、筆算しなくてもいいんだよ。」
さらに、
「今日は初めだから、もし筆算を知っている人も、今日は筆算は禁止!」
と伝えました。
すると、子どもたちは少しびっくりした表情。
でも、“筆算を使わずに考える”という条件が入ることで、子どもたちは数の見方や考え方を使い始めます。
まずは九九を使って思い出す|12÷3
最初の問題はこちら。
□枚のクッキーを3人で分けます。
1人分は何枚になりますか。
① 12枚のときです。
12÷3 と立式したあと、すぐ答えが分かる子もいましたが、
「えーと……」
と止まる子も。
そこで、
「九九の何のだんを使うんだっけ?」
と聞くと、
「3のだん!」
と反応。
「3×4=12だから、12÷3=4だね。」
と、九九とわり算を結び付けながら確認しました。
27÷3では、自力で解ける子が増える
続いて、27÷3。
1問目で流れを思い出したのか、自力で解ける子が増えてきました。
「3×9=27だから、答えは9!」
と、自信を持って答える姿も。
“思い出す時間”をしっかり取ることで、安心して学習に入れる子が増えていきます。
90÷3で見えた「数の見方」
次は90÷3。
ここで、
「今度は九九だけじゃできないね。どうしよう?」
と投げかけました。
すると、
「先生、できるよ!」
という声。
理由を聞くと、
「9÷3=3だから、90÷3=30!」
さらに、
「10が9こあるって考えた!」
と、図を使って説明する子もいました。
“90”を“9”として見る見方が出てきた瞬間でした。
63÷3では、「分けやすい数」に着目
さらに63÷3へ。
すると、
「60と3に分ければいい!」
「60÷3=20で、3÷3=1だから21!」
と考える子が。
数を“分けやすい形”に変えて考える姿が見られました。
筆算をまだ習っていなくても、子どもたちは自分なりの方法で答えに近付いていきます。
72÷3で、子どもたちが立ち止まる
そして本題の72÷3。
今までと同じように考えようとしたものの、
「70と2に分けてもできない……」
「図はかけたけど、そのあとが分からない。」
と、手が止まる子が増えてきました。
ここで、グループで相談する時間を取ることに。
すると、
「70じゃなくて60と12にしたらできた!」
「10を分けていったら、12が残った!」
など、友達同士で説明し合う姿がたくさん見られました。
“分からない”からこそ、対話が生まれます。
最終的には、全員が24という答えにたどり着くことができました。
「だから筆算が必要なんだ」と感じる導入に
今回の授業では、あえて最初から筆算を教えませんでした。
すると子どもたちは、
- 九九を使う
- 数を分ける
- 10のまとまりで考える
- 図に表す
- 友達と説明し合う
など、これまでの学習を総動員して考え始めます。
そして72÷3で、
「考えればできるけど、ちょっと大変」
という感覚を持ちました。
この“少し不便”という実感があるからこそ、
「もっと簡単に計算できる方法」として、次時の筆算につながっていきます。
この授業で大切にしたかったこと
算数の授業では、つい「早く解ける方法」を教えたくなります。
でも、本当に大切なのは、
“なぜその方法を使うのか”
を子ども自身が感じることではないかと思っています。
今回の授業では、筆算をすぐに与えるのではなく、
- まず自分で考えること
- 今まで学習したことを使うこと
- 友達の考えを聞くこと
- 「困った」を共有すること
を大切にしました。
便利な方法だけを覚えるのではなく、
「だから筆算って便利なんだ」
「こう考えるとできるんだ」
という納得感を持ちながら学べる授業を、これからも目指していきたいです。
