「すがたをかえる大豆」の1時間目実践記録です。
一人一人に読みの目的意識を持たせることが一番のねらいです。
まずは題名を読むところからスタートしました。
黒板には「すがた」だけ板書。
「すがたって何かな?」と問いかけると、
「見た目?」「自分の形?」と、子どもたちからいろいろな声が返ってきました。
「すがたを」と続きを書こうとした瞬間、ある子が元気よく「すがたを現す!」。
そのひと言から、ちょっと授業が脱線し、私がドアの陰から“ばあっ!”と出てみせる流れに。
こういう小さなハプニングが、子どもたちとの距離をぐっと縮めてくれます。
続いて「すがたをかえる」と書くと、今度は男子が「へーんしん!」と見事なパフォーマンス。
女子はくるくる回って変身するよね〜なんて冗談を交えつつ、
「つまり“すがたをかえる”って、変身するということなんだね」と押さえました。
そして今回、国語で変身するのは——
「すがたをかえる大豆」。
板書すると、またあちこちから声が上がります。
「とうふも大豆だよ!」
「枝豆も大豆って、理科で聞いた!」
子どもたちの知識が自然につながっていく瞬間は、本当にいいものです。
いよいよ教科書へ
ここでようやく教科書を開き、まずは範読。
段落番号をふりながら聞かせました。
全8段落——ここが今日の大事なポイント。(大豆だけに、ミソです…)
段落確認をしてから、あえて教科書を閉じるように指示。
普段は「国語は記憶力じゃないよ、文章を読んで考えるんだよ」と言っているのに、今日は真逆の指導。
子どもたちの表情も「えっ、どういうこと?」とワクワクモード。
「さて、大豆は何種類に変身していたかな?」と問いかけると、
「3!」「5!」「7!」とさまざま。
そこで正解を伝えます。
全部で9種類。
みんなで思い出しながら挙げると——
①炒り豆(豆まきの豆)
②煮豆(黒豆・白豆など)
③きなこ
④とうふ
⑤納豆
⑥みそ
⑦しょうゆ
⑧枝豆
⑨もやし
しっかり出そろいました。
しかし、ここで大問題発生!
確認が終わったところで、私は少し演技を入れながら
「……あれ?おかしいぞ?」と声をひそめます。
「9種類もあるのに、段落は8個しかない!!」
子どもたち、ざわざわ。
教科書は閉じたままなので、そりゃあ気になって仕方がありません。
するとある子が鋭い指摘。
「先生、まとめの段落って“もやし”の説明じゃないよね?」
「たしかに…!」
周りも一気に反応し、ここから文章構造の話へ。
説明文のつくりを思い出す
「説明文の構造ってどうなってたっけ?」と聞くと、
「はじめ!なか!おわり!」と、よく覚えていました。
段落と内容の関係を確認しつつ、
「じゃあ、本当に段落がおかしいのか確かめよう」と、最後に教科書を解禁。
子どもたちの集中力が一気に高まります。
段落と“変身”の対応を整理すると…
3段落 …… ①炒り豆 ②煮豆
4段落 …… ③きなこ
5段落 …… ④とうふ
6段落 …… ⑤納豆 ⑥みそ ⑦しょうゆ
7段落 …… ⑧枝豆 ⑨もやし
「なんで??」
「同じ段落なのに、1種類のときも3種類のときもある!」
「なんでまとまり方が違うの?」
子どもたちは完全に“謎解きモード”に突入。
ここでチャイムがなり、続きは次回に。
この授業で大切にしたかったこと
「すがたをかえる大豆」は、単に大豆の変身の種類を覚える教材ではありません。
私はこの単元を、説明文の構造に着目して読む力を育てる教材として位置付けています。
そのため、第1時では内容を細かく読み取ることよりも、「何のために読むのか」という目的意識をもたせることを大切にしました。
題名から予想したり、教科書を閉じて内容を思い出したり、「9種類なのに8段落」という違和感に気付いたりする活動を通して、子どもたちは自然と文章全体の構造へ目を向け始めます。
国語の授業では、教師が問いを与えるだけでなく、子ども自身が「なんでだろう?」と思える場面をつくることが重要です。
今回の授業では、「段落のまとまり方が違うのはなぜだろう」という疑問を共有したところで終了しました。
次時では、この問いを手掛かりにしながら、筆者の説明の工夫について考えていきます。
子どもたちの「知りたい」「確かめたい」という気持ちを大切にしながら、説明文の学習を進めていきたいと思います。
▶︎第2時へ続く

