【4年国語】『一つの花』の授業実践|「一つだけ」から題名の意味まで読み深める

授業実践

4年生の国語で『一つの花』を学習しました。

戦争中の家族を描いた物語です。初読の後に、授業で考えたいことを子どもたちが考え、その気持ちに沿って授業を進めました。

話し合う中で、誤読もありましたが、たくさんの考えや価値観に触れながら読み深めることができました。

以下は実践記録になります。


「お母さんはなぜ分けてくれるのか」

単元のはじめに考えたのは、

「お母さんはなぜいつも分けてくれるのか」

という問いです。

食べ物が不足する戦争中。

それでもお母さんは、自分の分をゆみ子に分けてあげます。

子どもたちからは、

  • 大きく育ってほしいから
  • 自分より子どもを優先したいから
  • 食べ物が少ないからこそ、子どもを大切にしたいから

といった考えが出されました。

ここから子どもたちは、戦争という厳しい状況の中でも変わらない親の愛情に目を向け始めました。


ゆみ子はわがままなのか

「一つだけちょうだい」と繰り返すゆみ子。

初めは、

「わがままだ」

という意見もありました。

しかし読み進めるうちに、

  • まだ小さいから仕方がない
  • 戦争のことを知らない
  • おなかがすいているだけ

という考えも出てきました。

子どもたちは、ゆみ子を責めるのではなく、

戦争の状況を理解できない年齢の子どもとして捉え直していきました。


「高い高い」に込められたお父さんの思い

お父さんがゆみ子を高く持ち上げる場面では、

  • 戦争へ行く不安
  • 家族と離れる悲しさ
  • もう会えないかもしれないという思い

に注目しました。

また、

「ゆみ子がおねだりしない子になってほしい」

という意見も出されました。

「一つだけちょうだい」という口ぐせを心配していたお父さんの気持ちに迫る読みが生まれていました。


おにぎりは何を表しているのか

駅でのお別れの場面。

お父さんは自分が食べるはずだったおにぎりをゆみ子に渡します。

子どもたちからは、

  • ゆみ子を泣かせないため
  • 最後の思い出にするため
  • 優しさを伝えるため

という考えが出されました。

さらに、

「おにぎりはゆみ子を泣かせないためのキーアイテム」

という表現も生まれました。

単なる食べ物ではなく、お父さんの愛情そのものとして捉えていたことが伝わってきます。


コスモスの花は何を意味しているのか

終盤では、

なぜお父さんはコスモスを一輪だけ渡したのか

を考えました。

子どもたちからは、

  • コスモスがお父さんの代わり
  • お父さんのことを忘れないため
  • 強く生きてほしいという願い

といった意見が出されました。

特に印象的だったのは、

「コスモス=お父さん」

という読みです。

おにぎりは食べればなくなります。

しかし花は種を残し、増えていきます。

だからこそ、お父さんはコスモスを選んだのではないか。

そんな考えへとつながっていきました。


なぜ題名は「一つの花」なのか

単元の最後に考えたのは題名です。

子どもたちは、

  • 「一つだけの花」ではない
  • 「一つの花」には明るい感じがする
  • 「一つだけしかない」から「一つある」へ変わった

と考えました。

戦争中の世界は、何もかもが足りない世界でした。

しかし最後には、コスモスの花が咲き、ゆみ子は成長し、町も復興していきます。

「一つだけ」という不足の象徴だった言葉が、

未来への希望を表す「一つの花」へと変わっていく。

そんな読みを子どもたちと共有することができました。


この授業で大切にしたかったこと

『一つの花』は戦争文学です。

しかし、戦争の悲惨さだけを学ぶ教材ではないと考えています。

食べ物がない時代でも、親は子どもを愛し続けたこと。

別れの瞬間にも、子どもの幸せを願ったこと。

そして、その願いが十年後の平和な世界へとつながっていること。

子どもたちは、「一つだけ」という言葉を手がかりにしながら、戦争の中でも失われなかった親の願いを読み取っていきました。

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