前時の続きからスタート
前時の議論を引き継ぎながら、授業は始まりました。
「ぬるでの木のかげで歌ったのは、だれ?」
子どもたちの考えは、
「トルトリ派(多数)」「村の人派」「チャンスン派」
の三つに分かれていました。
新たな問い|「誰が、何のために」
今日はここに「理由」を加え、
「誰が、何のために歌を歌ったのか」
という視点で、考えを深めていくことにしました。
それぞれの立場の考え
トルトリ派の理由
・自分の言ったことを納得させたかったから
・峠に人が来てほしいと思っていたから
村の人派の理由
・トルトリが歌うと声でばれてしまう
・村の人なら正体がわからない
・村の人もおじいさんを心配していた
チャンスン派の理由
・峠の様子をずっと見ていたから
・悪い言い伝えに違和感を持っていた
・トルトリの考えを、よい機会だと思ったから
この意見が示されたことで、教室ではチャンスン派が一気に増えました。
答えを決めすぎない授業へ
なかなか考えは一つにまとまりませんでした。
原作の絵本では「歌ったのはトルトリ」と明記されていますが、教科書にはその決定的な根拠は示されていません。そのため、答えを一つに決めすぎず、子どもたち自身の解釈を大切にすることにしました。
話し合いの最後に、それぞれが自分の考えをノートにまとめて、一度区切りをつけました。
最後の謎|なぜ水車屋が治し方を知っていたのか
続いて扱ったのは、もう一つの大きな謎です。
「なぜ、水車屋のトルトリは病気の治し方を知っていたのか」
子どもたちが引っかかっていたのは、「医者ではなく水車屋」であるという点でした。
「なんで水車屋が病気のこと知っているの?」
「お医者さんじゃないのに、なんで?」
と、不思議そうに話す姿が印象的でした。
「水車屋の仕事」から見えてきたこと
ここで、水車屋の仕事について確認しました。
水車屋は、米や麦をひいて粉にする仕事をしていることがわかりました。
つまり、水車屋の仕事が成り立つためには――
「農家が必要!」
「売る相手も必要!」
と子どもたちは気付きました。
さらに、
「たくさん売るためには…?」
と問い返すと、ついに声が上がりました。
「三年とうげに、人が来たほうがいい!」
「とうげを簡単に越えられた方が、たくさん売れる!」
子どもたちの気づきがつながる瞬間
ある子の発言が、教室の空気を一変させました。
「おじいさんは反物を売っている村の大金持ちだったと思う。そんな人が三年とうげのせいで死んでしまったら、よけいに人が来なくなっちゃう。逆に、有名な人が三年で死なないってわかったら、三年とうげに人が来るかもしれない。」
教室のあちこちから、
「おぉ〜……なるほど〜……」
という声がもれました。
まとめ|思考が積み重なった一時間
歌の謎から始まり、水車屋の仕事、村の暮らし、人の流れへと、思考が少しずつつながっていきました。
一つの正解を求めるのではなく、物語の世界を行き来しながら考えを深める、そんな学びの時間となりました。

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