3年国語「三年とうげ」⑤ぬるでの木のかげで歌ったのは誰?子どもたちの名推理

授業実践

土日明けは前時の復習からスタート

土日をはさんだため、授業は前時までの内容を振り返るところからスタートしました。

「三年とうげって、もともとは美しい峠だったんだよね。どうして悪い言い伝えが生まれたんだろう?」

この問いかけに、子どもたちから次々と意見が飛び出しました。

「人が来すぎて困ったからだと思う!」
「人を来させないために、わざと言い伝えを作ったんじゃないかな?」

続いて投げかけたのは、
「ただの言い伝えなのに、どうしておじいさんは病気になったのだろう?」という問いです。

「言い伝えを信じすぎたから!」
「心の病気だと思う。うつ病じゃない?」
「食べていなかったから、栄養失調だよ!」

前時の学習をしっかりと覚え、自分の言葉で考えを深めている様子が伝わってきました。

本時のテーマは「誰が歌ったのか」

本時の中心テーマは、「誰が歌ったのか」。

今回扱ったのは、次の二つの謎です。

  • なぜ水車屋のトルトリは、病気の治し方を知っていたのか
  • ぬるでの木のかげで歌っていたのは、誰で、何のためだったのか

本来であればトルトリの謎から入るのが自然な流れです。しかし今回は、あえて「歌の正体」から考える展開を選びました。物語の読みを、より深めることができると考えたからです。

名推理続出|トルトリ説・村の人説

まずは「誰が歌ったのか」に論点を絞り、全体で考えました。

最も多く挙がったのは「トルトリ説」です。

  • 「三年とうげで三年生きる」と言っているのはトルトリだけ
  • セリフと歌の内容がよく似ている
  • 自分の言葉を確かめたかった

といった理由が挙げられました。

次に多かったのは「村の人説」。

「トルトリの話を聞いて、おじいさんの様子を見に行き、そばで歌ったのではないか」という考えです。

少数派の意見が教室を揺らす

少数意見として出てきたのが「風がささやいた説」。

最初は「それはちがう!」という声もありましたが、

「挿し絵のすすきの向きが同じだから、風が吹いている証拠だよ」

と根拠を示した子が現れ、教室が一瞬静まり返りました。鋭い着眼点でした。

この意見は、板書にも残しました。

まさかの「チャンスン説」が登場

さらにユニークだったのが「チャンスン説」です。

教科書に描かれた、おじいさんが転ぶ挿し絵に注目し、

「ここにチャンスンが意味ありげに描かれている。だから歌ったのはチャンスンだ!」

と主張する子が現れました。

まだチャンスンを知らない子たちに、その場で簡単な解説を行いました。

チャイムが鳴っても終わらない思考

授業の終盤には、

「やっぱりトルトリだと思う!」
「でも、チャンスンの可能性もあるよね…」

と意見が入り混じり、チャイムが鳴っても議論は止まりませんでした。

教室には、物語の世界にどっぷり入り込み、最後まで考え続ける子どもたちの姿がありました。

まとめ|深い読みが生まれた一時間

「誰が歌ったのか」という問いは、子どもたちの思考を大きく揺さぶりました。

登場人物の心情だけでなく、風や絵、行間にまで目を向けながら読み合うことができた、学びの濃い一時間でした。

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