今日はいよいよ、本題の一つである
「なぜ美しい三年とうげに『三年で死ぬ』という言いつたえがあるのか」
という謎に取り組みました。
ただし、説明文の授業とは違い、物語の“謎解き”に正解は一つとは限りません。
書かれていない部分は 想像 を広げて考える必要があるため、最終的には「〜な説」としてまとめていこうと話しました。
言いつたえが始まる前の峠を想像する
まずは、言いつたえが生まれる前の三年とうげの様子を子どもたちと想像しました。
- 美しいとうげ
- きれいな景色
- 行ってみたい場所
- 人がたくさん来る → 観光地みたい!
と、明るいイメージが多く出てきました。
次に反対側、「言いつたえがある峠」について考えると、
- こわい
- 行きたくない
- 危険な場所
という意見が挙がり、
美しい峠 ↔︎ こわい言いつたえ 人が集まる ↔︎ 人が来なくなる
という対比が見えてきました。
では、どうして言いつたえが生まれたのか?
ここで、子どもたちに
「どうしてこの言いつたえが始まったのだろう?」
と問いかけ、個人でノートに予想を書いてもらいました。
発表のトップバッターは、最も多かった次の説。
「誰かが峠で転んで三年後に死んでしまい、広まった説」
クラスの“発言の多い子たち”は、最初みんなこの説に賛成していて、教室の空気は一気にこの方向へ。
しかし次に出たのは、全く別の方向性でした。
「誰かが冗談で言ったことが、うわさとして広まった説」
「うわさ話ってこわいねぇ」と盛り上がりつつ、さらに第三の説が登場。
「峠に“言いつたえ”を作りたかった説」
するとすぐに、
「えー!作るなら悪い言いつたえじゃなくて良いのに!」
と総ツッコミ。
でも、ここから子どもたちの視点が“がらり”と変わりました。
峠に悪い言いつたえを広めたい人がいたのか?
子どもたちの発言が、次々に「悪いうわさを流した理由」へ移っていきます。
- えらい人が峠をひとりじめしたくて流した説
- 峠に人を来なくしてほしくて言った説
ここで、授業の冒頭に話した「美しい峠」に視点を戻しました。
“美しいから人が集まる峠” → それをいやだと感じる人がいたのか?
と問いかけると、子どもたちは一気に深まり…。
「ごみが増える?」
「人が多いとうるさいかも」
「けんかも増えるかも」
「動物園の近くに住んでるけど、渋滞すごいよ!」
という実生活の例まで飛び出し、
“地元の人が困っていた可能性” に話が及びました。
そして導き出された「子どもたちの結論」
ここまでの思考をふまえて、再び本題へ。
子どもたちが最後にたどり着いたのは——
「美しい峠に人が集まりすぎて迷惑になって、だれかが『三年で死ぬ』と言いふらした説」
というものでした。
私は「村人が」とまとめてもよいと思っていましたが、
子どもたちの中には
- 村人“ではない”と思う派
- 村人“が言いふらした”派
が両方いたため、今日はあえて
→ 「だれかが」
と曖昧にまとめる形にしました。
(時間も限られていたため、このまとめがベストでした。)
今日の授業を振り返って
特に印象的だったのは、成績上位の子たちが最初に支持していた説が、話し合いの中で覆ったこと。
多様な視点がぶつかり合うことで、より納得度の高い結論にたどりついた、まさに“探究の時間”でした。
次の授業で、ほかの謎にどうアプローチしていくのか。
またどんな発想や気づきが生まれるのか、私もとても楽しみです。

