子ども同士のトラブルは、どの学級でも日常的に起こりますが、手を出さずに言葉で言い合っているようなささいな喧嘩には私はあまり介入しません。
あそこで何か揉めているな、あの2人なんかいつもと雰囲気違うな、というアンテナだけキャッチして、様子を見ています。
ただ、「どんなに怒っていても、絶対に言ってはいけない言葉がある」ということを子どもたちと共有しています。
喧嘩の勢いで相手を傷つける言葉を口にしてしまうと、仲直りできたとしても深い傷として残ることがあります。だからこそ、日頃から“言葉の線引き”を学級全体で確認しておくことが大切です。
私が子どもたちに伝えている「言ってはいけない4つの言葉の領域」を紹介します。
1. 名前についての悪口
名前はその人の“存在”に関わる大切なものです。
本人が選んだものではなく、変えることもできません。
「キモい名前」
「ださい名前」
名前をからかうあだ名で呼ぶ
これらは相手の存在そのものを否定してしまいます。
どの名前も生まれて1番初めにもらったプレゼントなんだよと伝えています。
2. 容姿についての悪口
身体の特徴や外見は、そのほとんどが本人の力では変えられません。
だからこそ、容姿に関する言葉は強い傷になりやすい領域です。
背の高さ
体型
肌の色
顔の特徴
持って生まれた体の事情
子どもたちには「目に見える部分のことは口にしない」ことを基本として教えています。「気になることがあっても言っていいとは限らない」という考えを丁寧に共有していきます。
3. 家族についての悪口
家族のことを言われるのは、子どもにとって自分自身を否定されたのと同じくらい辛いものです。
「お前の家、変だよ」
「親が○○だから」
きょうだいをバカにする
家庭環境や家族構成も、本人が選んで決められるものではありません。
私は「家族の話題はデリケート。何も知らないからこそ言ってはいけない」と伝えています。
4. 命に関わることについて
これは絶対に線を越えてはいけない領域です。
「死ね」 「いなくなればいい」 「もう来るな」
たとえ冗談でも、子どもにとっては重すぎる言葉です。
教室では繰り返し、「命に関わる言葉は、人を一瞬で傷つける最強の“暴力”」であることを確認します。
■ 日々の積み重ねが“トラブル予防”になる
大切なのは、トラブルが起きたときだけ指導するのではなく、普段の授業や生活の中で繰り返し伝え続けることです。
私は学級でこう伝えています。
「本人の力でどうすることもできないことと命に関わることは口に出してはいけない」
言葉の禁止ではなく、子どもたちが自分事として理解できるように、理由づけを丁寧に説明していくと、少しずつ子ども自身がブレーキをかけられるようになります。
喧嘩そのものは成長の一部です。
しかし、相手の存在を傷つける言葉はどんな理由があっても許されません。
「名前 容姿 家族 命に関わる言葉」
この4つを学級の合言葉のようにしておくことで、日常のトラブルは驚くほど減ります。
子どもたちが安心して過ごせる教室づくりを、一緒にがんばりましょう。

